博士課程後期(いわゆるドクター)では,プログラム共通科目と専門科目の2種類の講義を合計10単位取ることで履修上の修了要件が満たされます。
私は,プログラム共通科目として①「普遍的平和を目指して」,②「高度イノベーション人材のためのキャリアマネジメント」,③「人間社会科学講究」を履修しました。
共通科目を履修することで,他の領域の学問的知見や研究方法を知ることができ,自身の研究を発展・拡張できるメリットがあります。
専門科目は,「特別研究」を履修しています。社会認識教育学領域には,4人の先生方がいます。その先生方やその先生方のゼミに所属する大学院生にむけ,自身の研究成果を発表し,指摘や助言をいただきます。
ゼミでは,指導教員・先輩・後輩から指摘や助言を頂き,特別研究や学会での発表に向けた準備や論文執筆を進めています。
私は基本的に朝9時くらいに大学院生の部屋に来て,夕方6~7時くらいに帰る日々を過ごしています。
一日の流れとしては,自分の研究を進めるだけでなく,マスターの大学院生が受講している授業を聴講したり,ティーチング・アシスタント(TA)をしたりしています。
しかし,マスターの授業やTAの業務は毎日あるわけではありません。
これらの授業や業務がない日は,自分の研究の時間にあてています。
このように書いていると毎日研究しているみたいですが,そんなことはもちろんなく(笑)。気分転換に県外に行ったり,家で映画やドラマなどをみたりしています。
私が大学院(特にマスター)に進学した理由は,いろいろや要因があるのですが,一番は「教壇に立つことが不安だったから」です。
私の中心的な研究テーマの一つに「認識的不正義」があります。
これは,簡単に言えばコミュニケーションの中で「彼(女)が言っているから,この意見は正しいだろう(あるいは,間違っているだろう)」とか「彼(女)が言っていることは,よくわからないけど,こんなことを言っているのだろう」と判断することで,その意見が検討されなかったり,存在すらも認めてもらえなくなったりする状況のことを意味します。
この状況は,小学校・中学校・高等学校・大学等の授業の中でも見られると思います。
「学級委員長の○○,成績学年トップの○○,クラスの人気者の○○の言ってることだから」みたいな(笑)。
この状況を私も経験してきましたし,自分が教師になったとき「絶対に認識的不正義は起きないようにしたい」と思っていました。
しかし,実習で授業をした際,子どもの議論で起きている認識的不正義を黙認しているだけでなく,グループの議論がうまくまとまったとして評価している自分に気づかされたのです。
そこから教員になる前に,認識的不正義を起こさない手立てを知ろうと思ったのですが,大学卒業までには間に合わないことを痛感したため,大学院に進学しようと思いました。
では,マスターを修了した後,なぜ学校の先生にならず,博士課程後期に進学したのか?と思われた人も多いと思います。
それは,2年間の研究の中で,海外や他分野の研究に触れ続ける必要性と,2年間の成果だけでは,まだ実践できないことを実感したためです。
大学院に進学を迷っている方の中には,「進学したいけど,はっきりとした問題意識はない・・・」や「進学したいけど,お金がかかる・・・」といった思いを抱いている人もいるのではないでしょうか。
まずは「問題意識」の悩みから。私が上に書いた進学理由は,今の「私」が当時の「私」を振り返りながら書いたことです。
そのため,最初から問題意識が固まっていたように書いていますが,進学を決心した後も問題意識が揺れることは当然ありました。また大学の先生や学校現場で働く教員,お世話になった先輩・同級生・後輩と交流する中で,問題意識が薄れていくことも当然ありました。
でも,大学卒業後に教壇に立つことの不安は消えなかったんだと思います。
同じように「大学卒業後に教壇に立つことの不安」を抱えている人は,ぜひ社会認識教育学領域に進学することをお勧めします。
研究を進める中で,その不安を解消する手立てが見つかると思います。
またその研究も,4人の先生方に加え,院生の先輩・同級生・後輩からたくさんのヒントをもらいながら進めることができると思います。
「お金」の問題が残っていますね。
最近は奨学金の返還制度や大学での研究費助成プログラムが充実しています。
大学院の2年間,あるいは3年間の成果を踏まえて返還する金額が一部免除されたり,全額免除されたりすることもあります。
加えて,生活費と研究費が支援されるプログラムもあります。
「大学院に進学してみようかな。でもな,,,」といった悩みを抱いているみなさん。
一度社会認識教育学領域を訪れてみてください。
そこにいる大学院生や先生方とお話してみてください。
素敵な先輩達や先生方が,あなたの悩みに寄り添い,解消に向けたヒントをくれると思います。
広島の地で会いましょう!!