大学院生(博士課程前期:歴史学)の一日 (藤田雅幸さん) 2013年現在

広島県出身 広島大学附属高校卒

藤田さんは、毎日どのような生活をしているのですか?

平日は大学院の講義・演習、その発表準備や予習に時間を費やしています。また、高等学校での非常勤講師もやっています。そのため、大学院生と非常勤講師を両立しながら日々過ごしています。

休日は時間に余裕があるので、自分のしたいことをしています。といっても、次の週の発表準備に追われることが多いのですが・・・(笑)。このような生活をしていても、体力づくりや家の掃除など自分の時間は、きっちり作っています。大学院生になって半年経ちますが、なかなか研究が進まないことが、もどかしいです。そろそろ大学院生としてのリズムがつかめてきているので、これからは自分の研究を進めていきたいと思っています。

大学院では、どのような授業をとられているのですか?

私は、東洋史学の研究をしているので、指導教員の白須先生の授業を多く取っています。そこでは、外交資料を講読したり、古文書を読み解いたりしています。私の研究は、外交資料を用いた日中関係の歴史研究なので、特に力が入ります。また、専修免許状を取得するために関連する人文・社会諸科学や社会科教育学の授業も履修しています。今年は、草原先生の授業を履修しているので、社会科教育学を研究する院生との共同研究もしています。どの授業もレベルが高く、多くのことを学ぶことができて、充実しています。その分、予習や発表準備で苦労することは多いですけどね(笑)。

どうして、大学院に進学されたのですか?

大学に入学した頃から大学院進学は考えていました。大学に進学するのであれば、学べることは全部学んでやろうと考えていたからです。そして、実際に学部で4年間勉強してみると、やり残したことやもっと研究したいという想いを強く感じたので、進学を決意しました。

また、3年生のころから大学院のゼミに参加していたのですが、院生の人たちのレベルがとても高く、研究に対する情熱を間近で感じました。自分も先輩方のようになりたいと思ったことも理由の1つだと思いますね。

さらには、母校の広島大学附属学校で、後輩たちに歴史を教えるという夢をかなえるためというのもあります。大学院でしっかり勉強して、現場で実践力を磨き、いつか実現させたいですね。

大学院修了後、どのような教師になりたいですか?

私には、大きく2つの目指したい教師像があります。

1つは、社会科の先生としての理想です。これからの時代はグローバル化が進み、海外に出ていくことも多いと思います。その中で、最低限の歴史を理解しておかないと、社会に出た際に通用する人間になれないでしょう。私は、社会科の授業を通して、社会に通用する教養のある大人を育てたいと思っています。

2つ目は、学校の先生としての理想です。学校は、様々な教科や部活動、生徒指導などを通して、人間教育をおこなう場所だと考えています。勉強があまりできなくても、他人に対する思いやりを忘れない人間を育てたいですね。難しいことではないです。親切にしてもらったときに「ありがとう」が言える誠実な社会人を育てたいと思っています。社会に出たときに、人として恥じないような生徒を育てていきたいです。

2つあると言いましたが、通じるところは、社会で通用する大人を育成できる教師になりたいということですね。社会科の授業を通して、また学校教育によって、人間を育てて生きたいと思っています。

高校生へメッセージをお願いします。

歴史好きとか地理好きなど、“社会”が好きで、学校の先生になりたい人は、ぜひここに来てほしいですね。確かに、文学部のほうが東洋史学や西洋史学など1つの学問を深く学べるかもしれません。でも、学校で世界史を教えるにあたっては、日本史や地理、さらには法学、国際関係など様々な視点が必要になると思います。これは、社会系コースだからこそできることだと思います。社会系コースには、様々な学問・領域を研究されている凄い先生方がたくさんいらっしゃいますよ。

勉強以外の面でおいても、社会系コースは行事も多く、先輩後輩の縦のつながりが強い。これが売りですね。ある意味。大学生活を120%満喫できますよ。実際に私もそうでしたしね!!

大学院への進学を希望している大学生へのメッセージをお願いします。

学部時代に勉強が足りなかった、もっと研究したいなど、様々な想いから大学院に進学している人がいます。「もっと…」という想いをもった人には、ぜひ進学して欲しいです。ここでしか、今しかできないこともあると思います。後悔や不安を持ったまま社会にでるのであれば、全力で頑張ってみるといいですよ!