愛知県出身 安芸郡熊野町立熊野中学校教諭
教職高度化プログラムの現職教員学生は、1年目は大学院で学びます。ストレートマスター(学部卒業からそのまま大学院へ進学する学生)の仲間とともに研究に取り組んでいます。実際、研究では仲間に多くのことを教えてもらい、支えてもらっている状態です。この年齢の離れた仲間とは、数年後は教師として同僚になっていきます。いろいろな話をすることで時間が過ぎていき、時には深夜になることもあります。また、キャンパスで歩いていると広島大学に進学した教え子に出会うことが何回もあります。毎日がとても充実している生活を過ごしています。一年間、現場を離れて大学で学べることは、私にとって貴重な経験であり、大きな財産となっています。自分の世界が一気に広がりました。来年度の2年目は所属校で勤務をしながら1年目に学んだことを学校現場で実践をしていきます。定期的に大学院に行き、指導教員の小原先生から研究の指導を受けながら、学会発表や修士論文に取り組んでいきます。私の場合、自宅が大学近くにあるため、多分、夜は研究室に通う日々になると思います。
大学院では専門の社会科教育と教職に関する専門的な講義・演習を履修しています。例えば理論を講義形式で学んだり、ディスカッション等を行ったりします。特に授業で出された研究課題を調べ、その内容を発表します。個人発表だけでなく、グループ発表も多くあるため、授業の空き時間は発表の準備や図書館で資料収集です。そのため、論文や本を読むことが多くなりました。
また、教職高度化プログラムにはアクションリサーチという附属学校への実地研究があり、教育実践開発の実践的研究ができることも魅力です。
大学院の授業は理論と実践をバランスよく経験できるのが最大の特徴だと感じています。大学院を修了すると修士(教育)と専門教科の専修免許状が取得できます。
これからの教師には実践的指導力と専門的知識をもつことが求められます。教師としての力を高めたいと思い、大学院への進学を希望しました。
2015年、広島県教育委員会の推薦(7月に面接試験あり)を受け、実際に9月の大学院入試を受けました。入試までの1か月間は過去問題に取り組んだり、教授の著書を読んだりとかなり受験勉強をしました。4月からは教職高度化プログラムに大学院派遣研修として進学しました。
私は皇學館大学文学部卒業後、学校法人近畿大学の附属学校の教員に採用されました。附属新宮高等学校・中学校、附属東広島高等学校・中学校の教諭として私立学校に勤務した後、現在は熊野町立熊野中学校に所属しており、教員21年目です。もともと教師となってからはもっと学びたいと考えていたため、大学院で学べることは私にとってかけがえのない研修期間となっています。
広島大学大学院の先生方は日本を代表する研究者ばかりです。その先生方から学べることは最大の魅力です。実際、先生方は研究に対しては厳しいですが、熱心に指導をしていただいており、感謝しています。先生方に指導をしていただくことで研究の方向性も見えてきました。
2016年度より教職大学院が開設されるため、教職高度化プログラムは私たちの代が最後となります。自覚をもって研究に取り組んでいきたいです。
広島県では、経験豊かな教員の大量退職、若手教員の大量採用の時代に入っています。中堅教員として、若手教員の指導にも積極的に関わり、複雑化や高度化する学校現場の課題に対応できる教師になりたいと考えています。
また、学校を組織としてとらえることができる教師になりたいと考えています。今までは自分の教科や学級、そして校務分掌などの役割などで精一杯で周りが見えない部分がありました。これからは全体を通して客観的に見ることができ、生徒のためにどうしたらいいか、と常に考える教師になりたいです。
社会系コースのカリキュラムは大変充実しています。ここで学ぶ4年間は大きな自信となり、将来の夢への実現へとつながることでしょう。
大学受験に向けて、これからの受験勉強を頑張ってください。
これから高等学校の地理歴史科では「歴史総合」、公民科では「公共」の授業が開設されるなどこれから学校現場では高度な指導力と専門的な知識をもった人材が求められます。その指導力と知識を身に付けるためには、大学院進学をお勧めします。ここで学んだ2年間は大きな自信になると確信します。