出身
基本的に大学と非常勤講師で勤務している広島大学附属東雲中学校を行き来する生活をしています。大学では「奈良・平安時代の災害史」をテーマとして、日々史料や論文を読みながら研究を進めています。またゼミでは読書会という論文発表の場があるため、発表をしたり、他のゼミ生の発表を聞いて日々勉強しています。附属東雲中学校では週に3~4回のペースで社会科を教えています。授業を通じて生徒と関わることができ、また現場の先生からのアドバイスも得ることができるので、とても勉強になっています。大学で研究をする一方で、学校現場で教員としての経験を積むことができていて日々充実しています。ただ、時間に追われて忙しいですね。
博士課程後期では基本的に座学の授業はなく、博士論文を書くための研究を進める授業が設けられています。指導教官の先生に自分の研究成果や論文を発表したり、史料の読解で分からない点を聞いたりするなど、日々自分の研究を進めています。また、後輩と自主勉強会も開催しており、専門の古代史以外の中世史・近世史・近代史・現代史に関わる文献や論文を読み、ともに学びながら知見を広げています。
大学院に進学することを決意したのは①「自分の今の知識で教壇に立って授業することができるのか?」という漠然とした不安があったから、また②「専門的な研究をもっと進めてみたい」という知的好奇心が湧いたからでした。その思いで進学した修士課程では卒業論文でやったことをさらに深めようと研究を進めましたが、2年という短い期間の中で自分の納得できる形に仕上げることができず、研究の「難しさ」を痛感しました。その一方で研究の「面白さ」も感じることができ、とことん研究に打ち込んで納得できる形にしたいという思いから博士課程に進学し、今に至っています。修士課程に進学したからこそ、研究の「難しさ」と「面白さ」の両面を経験することができました。大学院進学を考えていらっしゃる方にはぜひ進学することをお勧めしたいです。
博士課程に進学した理由の一つでもあるのですが、専門的な知識と高度な研究能力を持ち合わせた教員になりたいと思っています。生徒に教える立場である教員は生徒以上に幅広い知識が必要であると思います。生徒に授業で教えるだけでなく、自らも研究を通じて学び続けることのできる教員になりたいです。
今、教員を志している高校生の皆さんは「どんな教員になりたいか」「どのような授業がしたいか」など様々な教育に対する自分なりの考えをもっていますか?大学には今まで経験したことのない高度な学問の世界があり、また違った考えを持った人々との出会いの場があります。自分なりの教育観を大学での専門的な授業や先輩・同級生・後輩など様々な人々との関わりの中で深められる充実したキャンパスライフを送ってほしいと思います。遊ぶ時にはしっかり遊んで、学ぶ時にはしっかり学ぶ、ON/OFFの使い分けが重要ですよ!
大学院は研究活動を通して専門的な知識を身につけ、高度な研究能力を磨く場だと思います。「どんなことを研究していきたいのか?」、または「なぜその研究が必要なのか?」など研究の意義をきちんと自覚したうえで主体的・積極的に学んでいき、将来的に教育の場でどのように還元していくのかといった自分なりの考えを持ってほしいですね。僕もまだ研究の道半ば、ぜひ、ともに大学院で学びましょう!