愛媛県出身
曜日によって差はありますが、大体1日に1コマ授業が入っています。一見、授業が少なく見えて、暇そうに見えるかもしれません。しかし、授業以外の時間は、発表の準備や共同研究で話し合いをしています。大学院の授業は、高校の授業や学部の講義とは異なり、大学院生が、授業の準備を行います。それをもとに先生や先輩方から、専門的な知識や研究について教えてもらいます。準備がなかなか思い通りに進まず、帰宅するのが遅い日もあります。しかし、学部時代以上に専門領域について深く学ぶことが出来ています。
時には、研究室の皆さんと遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりします。9月には、研究室の皆さんと一緒にカープの観戦に行きました。院生の中にはカープファンの方が多く、野球に詳しくない僕も一緒に楽しむことが出来ました。
また、僕は学部時代から継続してコンビニでアルバイトをしています。共同研究などの関係上、シフトに入る数が限られており、たくさん稼ぐことはできませんが、稼いだお金で生計を立てたり、専門書を買ったりしています。
学部時代とは異なり自由な時間は少ないですが、充実した生活を送っています。
大学院では専攻である社会科教育学に関する授業を多く履修しています。社会科教育学の権威である先生方から、専門的な内容や研究方法について時に厳しく時に優しく指導を受けています。講演会や専門書に先生方の名前を見つけると、すごい人たちから指導を受けているのだなぁと改めて感じます。
社会科教育学に関する授業を4つ履修しています。1つ目は、新聞を取り入れた授業を開発する授業です。7月には授業で開発した単元を附属の学校で実践させていただきました。自分たちが立てた仮説を検証するという、教育実習とは異なる経験をすることができました。2つ目は、海外(主にイギリス)の教科書を分析する授業です。教科書を分析することで、「その教科書はどのようなことのできる子どもを育成しようとしているのか?」、「その目標のためにどのような学習内容を設定しており、どのような学習方法を推奨しているのか?」を考察します。3つ目は、IB(国際バカロレア)という教育プログラムを手がかりに歴史教育への示唆を考える授業です。次期学習指導要領では、社会系教科の構造が大きく変わろうとしています。IBがこれからの歴史教育の在り方に示唆を与えるのではないかという仮説のもと、IBの歴史科目の枠組みに従って授業開発を行い、その単元を全国社会科教育学会で発表しました。4つ目は、中学校や高校で開催されている研究会に参加し、実際に学校の授業を見学する授業です。いろんな授業を見ることで、授業分析力や授業改善力を高めることをねらいとしています。
また、9月には10日間アメリカに行き、中学生に授業する機会がありました。伝えたいことがうまく伝えられず、悔しい思いをしましたが、生徒たちが一生懸命授業に取り組んでいた姿は鮮明に覚えています。
大学院の授業を受けることで、「なぜ社会科を教えなければならないのか?」「どうすれば良い授業(教育)ができるのだろうか?」ということを考えることができます。これらを問い続ける姿勢が、社会科教師にとって必要な資質と言えるのではないでしょうか。
私が目指している教員像は大きく2つです。 1つは、生徒一人一人の進路を支援できる教員です。僕は高校の教員になることを志望しています。高校卒業後、専門学校に進学する人、働き始める人、大学に進学する人など様々な進路を選択します。大学1つとっても教育学部、経済学部、工学部といったように専門分野は分かれています。僕自身も進路に悩んでいた経験があり、先生に進路の相談していたことがあります。将来何がしたいのか、どうしたら良いのか不安を感じている生徒に親身になれる教員になりたいと思います。
2つ目は、「なぜ社会科を教えなければならないのか?」「どうすれば良い授業(教育)ができるのだろうか?」を追求し続ける教員です。社会科教育の良さは千差万別です。いろんな知識をたくさん教えることが良い授業だと考える人もいれば、「なぜ」と問い続けて、事象や構造を究明することが良い授業だと考える人、学習したことを踏まえて今の社会を理解し、改善していくことが良い授業だと考える人もいます。どのような授業(教育)をすればよいかを追求することは、自身の専門性を高めることにつながり、よりよい授業実践にもつながると思います。
社会科の先生になりたいと考えている人が、社会系コースを志望していると思います。「どんな社会科の先生になりたいのか?」という答えを探していくのに、もってこいの場所だと思います。
社会系コースでは、非常に実りのある大学生活を過ごすことが出来ます。ここまで言い切れるのは、僕自身が素晴らしい人達に出会えたことで充実した大学生活を謳歌することが出来たからです。
大学生になって初めて、社会科教育学という分野を知った人が多いと思います。僕もそうです。社会科教育学を研究することで「どうすれば良い授業(教育)ができるのだろうか?」という問いを追求することができると僕は考えております。
また、大学院に進学したからこそできる経験がたくさんあります。なので、色んなことに挑戦してほしいと思います。