社会認識教育学特講Ⅲ(金鍾成 助教)2018年現在

大学院ではどのような授業を担当されていますか?

近年、社会科教育における質的研究への関心が高まる一方で、それに応じた体系的な研究方法論の教育が行われているとは言い難い状況があります。このような問題意識のもとで、私は研究方法論に焦点を当てた授業を行っています。2018年度は、大学院生と一緒に批判的パトリオティズムの育成を目指すアクションリサーチを行っています。大学院生が「授業のデザイン→実際の授業→分析→省察→さらなるデザイン…」のサイクルに参加する機会を与えることで、研究デザインの構想、教育現場との交渉、データ収得と分析の方法、省察・改善のプロセスを学ぶことができます。 また、国家のディスコースを越えた「他者の語り」に関する研究も試みています 。ここでいう他者とは、他国の他者だけを指すのではなく、自国のディスコースから疎外されてきたマイノリティーも含めます。様々な他者との共存を可能にする社会科教育の在り方について大学院生と一緒に勉強しながら悩み続けています。

大学生に対してメッセージをお願いします!

私が大学院で行っている研究方法論の授業は単に研究者養成を目的とするものではありません。自分の授業(アクション)について研究(リサーチ)し、学び続ける教師を育てるための教育的行為であります。自らの授業実践を研究としてまとめたい人、自らの授業実践を分析・省察することで教師としての成長をはかりたい人は、ぜひ広島大学大学院教育学研究科社会認識教育学講座に来てください。