卒業してからは広島市の中学校で社会科の教員として採用されて2年間勤務しました。
元々は地元の鹿児島で教員になりたかったのですが、当時は倍率も高く、併願していた広島市の方だけが合格したので、そちらで就職をしました。
2年目の時にも鹿児島で受け直したのですが、残念ながら不合格でした。
どうしようかと思っていた時に、家族の勧めと地元に帰りたい思いもあったので、地元の出水市役所を受けてみました。
結果、合格しました。最初に配属されたところが市の教育委員会の教育総務課というところでした。
困窮している家庭に就学援助費の支給をするなどの事務的な仕事ではあったのですが、当時の教育長がすごく熱意のある方で、大きな影響を受けました。
市役所の仕事にもやりがいや面白さを見出すようになりました。市役所を受けた当初は、いずれまた教員採用試験を受けようと思っていたのですが、受け直すことはなく、2年間教育総務課で働いた後、生涯学習課というところで5年間働きました。
その後別の課に異動して産休・育休に入り、2年前に復帰して今も生涯学習課で働いています。
教育委員会の生涯学習課で働いていまして、課の目標としては「市民一人ひとりが生涯にわたって自己開発・自己啓発できるような学習体系・支援に努めること、学んだことを生かすことが出来るような生涯学習体系づくりに努めること」を掲げています。
具体的には、青少年育成事業や青少年交流事業、社会教育関係団体の事務局、二十歳の集い、家庭教育支援事業、高齢者大学など、小さな子供からお年寄りまでを対象に幅広い事業をしています。
社会科教育ではなく、「社会教育」という形で地域の教育に関わらせていただいています。
一番の魅力としては、生まれ育った地域の住民の皆様のために働けるということですね。
生涯学習課での仕事の魅力としては、市役所の他の課ではできないお仕事がたくさん出来ることです。
学校教育や社会科教育では学習指導要領やカリキュラムに基づいて授業をしなければなりませんが、生涯学習課の社会教育の分野では他の課に比べて法令や条例、規則などにあまり縛られることなく自分の思い描いた事業を形にできるという良さがあります。
老若男女問わず幅広い年齢の方々と触れ合うことができ、自分が運営した事業に参加してくださった方々から直接反応を頂いたり、ありがとうと言っていただけることがとてもやりがいになっています。
地元なので、事業を通して沢山の方と繋がりが出来たり、信頼関係が出来たりする点がとてもいいなと思います。
地元の子供たちが各地で活躍している姿を長いスパンで見ていけるという良さもあります。
授業には真面目に出席していました。
バイトは塾講師を4年間していたほか、単発でイベントのバイトもしていました。
中学から剣道をしていたので、サークルは週1の遊びがメインではありましたが、剣道のサークルに所属していました。
そのような中でも教社行事には毎回欠かさず参加していていました。
今も教社ソフトとか宮島キャンプとかあるんですかね?宮島キャンプは必ず参加していて、1~4年生まで仲良くなれて、とても楽しかった思い出があります。
個人的にも色々なところに旅行に行きました。
私の学生時代は,由井義通先生が地理の授業を受け持ってくださっていて、フィールドワークでみんなで沖縄に行ってきました。
また青春18きっぷで学科の同級生10人くらいで京都旅行に行ったりしました。
卒業旅行はみんなで2回行ったのですが、バスで新潟までスノボ旅行に行ったり、車何台かで静岡・山梨に行ったりと沢山遊んだ思い出があります。
反省点としては単位を落とさないように頑張ってはいたのですが、高校生の勉強の延長のようになってしまって、社会科という分野の学問をもっと深めたいとか、大学院に進んでもっとこの分野を研究したいとか、そこまで至らなかったことについては惜しかったと思います。
もっと社会科や他の分野について色々な本を読んで自分の視野や興味、学びを深められていたら更に有意義だったかな、と振り返って思いますね。
今している仕事は社会教育で、みなさんが学んでいる社会科教育と名前はとても似ているのですが、対象や分野が非常に幅広く、中身は大きく異なります。
しかし、教社で学んだ、この授業で何を学んで欲しいか、どのような力をつけて欲しいか、など、教育というサービスを提供するうえで根底にあるものは共通していると思います。
学生時代、私のゼミの教員であった小原友行先生から、学習指導案を考える際、この授業のどこが面白いのか、子供たちの興味をどのように引き出せるのかと指摘をいただくこともありました。
その指導から、事業に参加する人たちに学んで欲しいことや事業の必要課題と同時に、面白さや楽しさといった学びの意欲にどう結び付けていくかという視点は、様々な事業の狙いや構成を考える上で基礎になっています。
まず、高校生に向けてですが、社会科教員を目指すのであれば間違いなくおすすめできる学科です。
一流の先生たちの下で一流の授業が受けられる点がおすすめできる理由です。
自分自身を振り返ると、学生時代社会科が好きで、いろいろな知識を得られる楽しさが社会科の面白さだと入学前までは思っていました。
入学してからは自分自身の社会科に対する捉え方も大きく変わって単に知識を得るだけなく子供たちに社会科を教える事を通して社会の見方・考え方を育むことが出来るとても奥深い教科であることが分かり、さらに魅力的な教科だと思いました。
社会科が好きで、さらに深く学びたいと考えている人にはおすすめの学科です。
次に大学生に向けてですが、是非色々な人と関わったり、色々な体験をして欲しいと思います。
勉強はもちろん大切ですが、サークルやバイト、旅行など興味を持ったことは何にでも挑戦してください。
特に教員を目指している方は、子供たちにとって先生の与える影響力はとても大きく、皆さんの教える社会科によって子供たちの見方や考え方が育まれると言っても過言ではないくらい大事な教科で、影響も大きいと思います。
ですから、是非色々な経験をして自分自身の視野を広げていってほしいと思います。
今、世間では教員のブラックな部分が取り上げられていて、将来を迷っている学生さんも多いかと思いますが、「人を育てる」というとても魅力のある仕事だと思います。
ただ、必ずしも学校だけが教育の場所ではない、ということを今の仕事をしていて実感しています。
市役所で働く中でも、「まちづくりは人づくり」という風に教育長には教えていただきましたし、私も同様に思っています。
教員にならなくても他のお仕事であったり、子育てをしたりする時でも、今勉強していることは必ず役に立つと思います。
自分自身、教社を出たら社会科の教員にならないといけない、ストレートで教員になれたらいいな、思っていました。
しかし実際新卒で中学校の教員になった時に自分の視野の狭さや人としての至らなさを痛感し、こんな自分に教えられる子供たちは気の毒だと感じた経験があります。
もっと回り道をしても良かったかなとか、もっと色々な経験をしてから教員になっていれば子供たちに教えてあげられることも多かったのかなとか、後悔したこともあるので皆さんには色々な経験をして欲しいと思います。
壁にぶつかることもあると思いますが、チャレンジし続けていれば失敗はないと思いますので、この先色々な岐路に立たされる時に自分がベストだと思う道を選択して歩んで行っていただければ、と思います。
(聞き手:学部3年 萩原育未)