卒業生の活躍 舟越 裕さん(長崎県立松浦高校校長) 2024年現在

どのような仕事をされているのでしょうか?

私は、現在長崎県立松浦高校の校長の3年目、教員生活30年目です。
松浦高校は文部科学省の新時代に対応した改革推進事業(普通科改革支援事業)の研究指定校で、普通科を地域科学科に改編し、地域課題探究学習「まつナビ・プロジェクト」を中心に地域をフィールドとした探究的な学びに関するカリキュラム開発と実践を行っています。校長としては、地域との連携やカリキュラム編成、人事などを含めた学校のマネジメント、教員のスキルアップのためのOJT(オンザジョブトレーニング:実際の業務を通じて知識やスキルを教える人材教育の手法)を推進したりしています。現在、松浦高校の全校生徒は182人ですが、急速な少子化により将来的には学校の存続にも関わる可能性があり、松浦市は市内唯一の高校の魅力化や高校への進学者数増加を応援する意味で松浦高校に支援金を出してくれています。
学習や部活動を通して、生徒の成長する姿を見ることができ、関わることができる他に、自分の教えた生徒が社会に出て活躍している姿を見ることができるのも、教員の魅力です。

学生時代について教えてください。

私は第二次ベビーブームの少し前に生まれたので、同学年の受験生は多く大学入試の倍率が今よりも高かったこともあり、一年間予備校で修行して教育学部教科教育学科社会科教育学専修に入学しました。
入学後は、高校時代から欲しかったバイクを買い、その金を返すために、バイトをずっとしていました。
同級生の永田忠道君(現教育学部初等教育教員養成コース・教授)と一緒にツーリングなどにも出かけていました。
ただし、3年生の時に広島大学附属高校に授業見学に行って、初心を思い出して社会科教育学を学ぼうというやる気がアップしました。
その後、もっときちんと学ばなければよい教員になれないなと思い大学院に行き、長崎県の高校教員になりました。
教社では森分孝治先生、片上宗二先生、池野範男先生の下で、思考力を育成する、歴史を通じて社会のことを学ばせる授業デザインの基礎を学び、それが教員になって役に立ちました。

高校生、大学生に向けてのメッセージ

学生の時だけではありませんが、人生の選択肢が複数ある場合は、常にチャレンジする方向で自分の人生を選ぶべきです。
安易な方を選んでも壁に当たるので、難しい方を選んだ方が良いです。また、選択肢を複数持つために、高い所から全体を見渡す視点を持って、より広い情報や、様々な人の考え方に主体的に触れることが大事です。
それは教員になっても同じで、職員室にずっといたら情報は入ってこないので、普段から、全体を見渡す視点をもち、情報を得ようとする姿勢が大切です。

(聞き手:学部3年 井上 蒼太)