卒業生の活躍 瀬戸康輝さん(広島市立祇園東中学校教諭) 2015年現在

社会系コースを卒業後、どのような仕事をされてきましたか?

平成24年度に社会系コースを卒業してから、広島大学大学院の教職高度化プログラムに入学しました。修士の二年目に広島県教員採用試験を受けて、無事合格できたので、卒業後に広島市立祇園東中学校に配属され、今年度が2年目です。

現在はどのようなお仕事をされていますか?

現在2年生全6クラスの社会科を担当しております。校務分掌だと生徒会に所属しており学校行事を生徒とともに運営していくこと、もう一つは祇園東中学校にはTJK(楽しく授業を語る会)という授業研究部があり、そこで副主任を担当させていただいています。この授業研究部では、公開研究会の司会や記録を行う。また、同僚の先生方と授業づくりの方針や目標を検討しています。

中学校・高等学校教師の魅力とは何ですか?

教職は非常に忙しく悩むことが多い職業だと思うのですが、この職業の魅力は、子どもの成長を見られることだと思います。例えば、今まで全然解くことができなかった問題に必死に取り組んでいる姿を見ることや、今まで文章を書くことが苦手だった生徒のレポートが、とてもきれいな文でまとめられていると評価する時、また、生徒間のわだかまりを解決し、仲直りしている姿を見ることです。やはり子どもの成長が一番なのだとつくづく感じます。

どのような大学生活を過ごされていたのですか?

僕は大学入試の後期試験を合格して広島大学に入学したので、入学当初は教師になろうという思いは明確にはありませんでした。なので、3年生まで体育会テニス部に所属し、テニスに打ち込んでいました。それまではテニスのことしか考えてなかったですね。授業もきちんと受けてはいたのですが、そこまで骨身が入らず受講していました。でもテニスで腰を壊してしまい、勉強頑張ろうと思い始めた時に、ちょうどたまたま教育実習があり、このままいったら教師になれないと思い知らされ、本格的に勉強しようと思って、大学院に行こうと決めて、できるなら教育実習が充実し、現場を学べる教職高度化プログラムに入学しました。
また、アルバイトは家庭教師、テニスのコーチ、コンビニ店員など職種を問わず幅広く経験しました。

社会系コース(いわゆる教社)に入って得た一番大きなものは何ですか?

すぐ思いついたのはやっぱり社会科教育学というのをしっかり学べたのは良かったと思います。講義の中で、授業研究の仕方、授業づくり、発問の仕方などを学習しました。特になぜ社会科を教えないといけないのか、と再三問われ、多くの先生方の視点でその問いに対する解答を提示され、自分の中で考えてみるきっかけを得たことは大きいと思います。今年、公開研究会の授業者をさせていただいたのですが、教材研究や発問を構造化させる際に、これらの経験は大いに役立ちました。

高校生(受験生)・大学生に向けてのメッセージをお願いいたします

高校生に向けてのメッセージは、教師になるのではなく、社会科の教師になりたいと強く思うのであれば、広島大学教育学部社会系コースをお勧めします。社会科教育学を学び、なぜ社会科を教えるのか、どのように教えるのかを考えることができるコースだと思うからです。
大学生に向けてのメッセージは、「研究し続けなければ教師ではない」という言葉があります.子どもや社会が変化し続けるなかで、教師も変化していかなければならないと思います。大学の頃からより良い実践を考え続ける、追求し続ける姿勢を大切にしてほしいです。そして、ぜひ大学院に進学してほしいと思います。