平成28年3月に社会系コースを卒業しました。在学中に広島県の教員採用試験に合格しましたので,卒業後,平成28年4月から現在まで北広島町立千代田中学校の教員として勤務しています。
今年度は2年生の担任とバスケットボール部の顧問を担当しています。授業は、1,2年生の社会を12時間、地理と歴史の分野を教えています。それに担任をしているクラスの道徳と学活と総合的な学習の時間が加わり、1週間で合計15.5時間の授業を担当しています。去年は特別支援学級の社会科と3年生の公民分野も担当しました。授業以外にも,担任するクラスのことや部活動のことや行事に関することなど,多くの仕事があります。経験不足に悩むことも多いですが,日々,大きな経験ですね。
何より生徒の成長を実感できるときのうれしさとやりがいです。特に自分が担任するクラスでは,日々さまざまな場面に出会います。もちろん毎日がうまくいくわけではなく,学級担任として大変なことも多くありますが,その中でも生徒がいきいきと活躍する姿や困難を乗り越える姿,1つの目標にむかって何かをやり遂げようとする姿を見られる喜びは大きいですし,感動します。生徒に元気を吸い取られることも多いですが(笑)、生徒に元気をもらうこともやっぱり多いですね。そうやって生徒と生活をともにする中で,将来生徒の中で光るものを一緒に見つけてあげられたらいいな・・・と思う毎日です。
基本的に授業にはちゃんと出ていました。社会系コースは行事が多いので、積極的に参加し運営にも携わりました。また、日本史に1年のときから興味を持ち、下向井先生のプレ読書会に参加して古文書読解と専門書の輪読をしていました。3年の後期からは下向井先生の古代史ゼミに所属して卒論まで日本史を研究しました。ただ、それ以外はバイトメインの生活を送っていたので、今思えばもっと勉強しておけば良かったなという気持ちもあります。
学問や人との出会いによって自分の考え方に向き合うことができたことが何より大きいと思います。入学したときは漠然と「先生になりたい」としか思っていなかったのですが,社会系コースでは「社会科って何なのだろう」「何を教えれば良いのだろう」「何を目的・目標とすれば良いのだろう」と考えさせられる機会が多くあり,そのたびに頭を悩ませた記憶があります。この機会があったからこそ今の自分があると思いますね。また,社会系コースではいろいろな考えをもった人に出会いました。その中で自分とは違う視点、いろいろな考えにふれて視野を広げることができました。様々な考え方を知ることは私自身を豊かにしてくれたように思います。卒業してからも多くの方々から助言や元気をもらうこともあり,私の大きな支えですね。
授業づくりの考え方ですね。様々な授業を見る機会があり,どのような問いで,どのような方法で,どのような思いで,社会科の授業が構成されているのかを学んだことが今の私の授業づくりにも生きていると思います。社会認識教育学の講義で学んだことを全て現場で使えているわけではありませんが、実際に授業を作っていると、大学で学んだことを思い出し、実践の場で役立てられていると思います。「どのような社会科の授業を目指すのか」を考えることは、私自身がこれからも続けていかないといけないなと思っています。
高校生に向けて言えることは,社会系コースは「社会科の先生になりたい」・「社会科について考えたい」と思う人にとって絶好の環境だということです。熱心に指導してくださる先生方や様々な考え方をもった友人との出会い,自分の考えと向き合うこと,すべてが自分の財産になると思います。
大学生へのメッセージは,今の講義の勉強、今だからできる勉強、今経験できることを大切にしてほしいということです。現場に出てからは時間的な余裕はあまりないので,余裕がある今,様々なことを見て,聞いて,考えることが,将来の自分の軸になると思います。考えることは大変なことですが、教師はずっと考え続ける仕事なので、考えることから逃げないで勉強・経験できるときに取り組んでほしいですね。