研究成果に基づく教師教育の開発に関する講演会を開催しました

広島大学インキュベーション研究拠点「教育ヴィジョン研究センター(EVRI)」は、2018年12月10日に定例セミナー(13)「研究成果に基づいた教師教育の開発:国家イニシアティブとしてのNAFOL」を開催いたしました。本講座の草原和博教授がリーダーを務めるEVRIの「教育研究者」クラスタでは、理論と研究を基盤とした教師教育者の育成に取り組んでいます。この活動に関連して、ノルウェー工科大学のKari Smith先生をお招きし、ご講演をいただきました。

ノルウェーでは、PISAショックの後、教師教育の質への批判が高まりました。そこで、教師教育をリサーチベースに変革すること、教師は研究に基づく実践ができること、教師教育者も教師の研究を指導できる専門性をそなえることが期待されるようになりました。このような経緯で設立されたのがNAFOLです。NAFOLは大学間の連携に基づく博士課程の学生を対象としたプログラムであり、幼児教育から中等教育まで全ての教師教育の質を高めること、国際的なネットワークと文化的な素養をもった研究者の育成を目的としています。NAFOLの学生は、手厚い資金援助を得て、国内外の先端的な研究者に直接論文指導を受けつつ、教師教育者としての専門性を高めていきます。

講演後には、川口広美准教授(本講座)によるまとめのコメントがありました。その後、NAFOLがこのような手厚い指導ができる理由、教師教育者への支援体制、学校教育への還元のし方、実践志向の研究(practice-oriented research)の具体例などについて質疑が交わされました。日々教師教育を実践している本講座にとっても、教師教育者の専門性開発の方略について研究しているEVRIにとっても、NAFOLの取組は大いに参考になりました。

※活動の詳細については、教育ヴィジョン研究センター(EVRI)のHPをご覧ください。

【EVRIのHP】

http://evri.hiroshima-u.ac.jp/2712