カンボジアの社会科カリキュラム・教科書開発支援に協力しました(9)

ひろしま平和貢献ネットワーク協議会(提案自治体:広島県)が受託したJICA草の根技術協力事業「カンボジアにおける持続可能な社会構築のための社会科カリキュラム・教科書開発支援」に、本講座教員や卒業生・修了生が多数参加しています。2018年度は、新しい社会科教科書モデル単元の開発支援をして参りました。

9月には、本講座の草原和博先生、私(教育ヴィジョン研究センター教育研究推進員・草原ゼミ)が専門家として現地に派遣され、教科書レイアウトデザインの原則を協議する研修を実施しました。また、新たに5つの教科書モデル単元の開発を進めました。

12月には、広島県教育委員会と連携し、卒業生の大坂遊先生(教育ヴィジョン研究センター教育研究推進員・草原ゼミ出身)と丸山博章先生(広島県西部教育事務所芸北支所指導主事)が派遣され、これまで開発した新しい教科書の効果を研究授業を通して検証しました。現地教員に新しい教科書を活用してもらい、指導主事の先生による助言・協議を重ねながら、小学校第3学年の道徳公民「地雷と不発弾の地域での安全確保」と中学校第3学年の地理「カンボジアの経済」の研究授業を実施しました。

2月も、引き続き広島県教育委員会と連携し、大坂先生、私、卒業生の迫有香先生(広島県立教育センター指導主事・小原ゼミ出身)、佐々木孝先生(広島県北部教育事務所指導主事)が派遣され、12月と同様に研究授業を実施しました。小学校第6学年の地理「位置と座標」と中学校第3学年の歴史「民主カンプチア時代(1975-1979)」の研究授業をしてもらいました。また、迫先生は中学校第2学年の家庭経済「失業と就業」の2時間単元を自ら開発・実践し、新シラバスの理念を実現する授業や教科書の活用法を具体的に提示しました。

今後も、本講座では、卒業生・修了生と共同して教科教育学の成果の国際的な発信と還元に努めてまいります。

※活動の詳細については,教育ヴィジョン研究センターのHP(http://evri.hiroshima-u.ac.jp )をご覧ください。

(博士課程後期1年 守谷富士彦)