本講座の熊原准教授と大学院生の横川さん(D3),岩佐さん(D1),原田さん(M2)が,東広島市立志和中学校の3年生に向けて地域調査の方法を教えました。志和中学校では「総合的学習の時間」において,「志和地歴ウォーク〜ふるさと志和の暮らしの変化〜」と題する課題に取り組んでいます。その中で,私たちは,地図作業2時間(9月15日実施),フィールドワーク2時間(9月24日実施)の計4時間の授業を担当しました。
具体的には,前半の地図作業では,4つの時期の学校周辺の地形図(戦前,昭和40年代,平成初期,現在)を用意しました。4名で1グループとして,グループ内でそれぞれ異なる年代の地形図を分担して,土地利用の色塗りをやってもらいました。その後,どのように土地利用が変わったのかを班ごとに議論してもらい,その結果を発表しました。発表では,生徒自身による地図の読み取りにより,志和中学校周辺では,戦時中から戦後にかけて林野を水田や果樹園に大規模に転換したこと,その後,水田や果樹園が畑や空き地に転換したことなどが報告され,クラスの中で情報を共有しました。
後半のフィールドワークでは,地図作業で明らかになった土地利用の変化の痕跡を探すとともに,生徒自身が主体的に調べたいと思えるテーマを発見することを目的として行いました。フィールドワークでは,廃校となった高校の石碑,ソーラーパネル,水田耕作を可能にした用水路,多種多様な害獣対策,現在でも続く酪農農家,有機栽培などを実際に見て記録を取りました。
今後は,グループごとにテーマを設定し,テーマに沿って聞き取り調査などを行い,最終的には,冊子やポスターにして成果をとりまとめる予定です。