本講座の草原和博教授は,2019年5月18日(土),日本弁護士連合会主催の「新しい学習指導要領を考える ~法教育セミナーin広島~」に登壇しました。
セミナーには,県内外の弁護士と小中高等学校の教員120名が参加し,活発な議論が繰り広げられました。草原教授は,「海外の法・政治教育が私達のカリキュラム作りに示唆すること」の題目で報告を行いました。具体的には,①「政治的中立性」の意味の捉え直し,②歴史教育と政治教育を統合したオーストリアの教育実践の魅力,③新科目「公共」の実践課題,について問題提起しました。当日の報告は,2019年5月19日付け中国新聞の記事「どうなる「公共」教員ら模擬授業」でも紹介されました。
上のセミナーでの報告は,草原和博教授を代表とする「オーストリア政治教育の挑戦-教室空間で政治問題をいかに教えるか-」(科研・国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)))を基盤としています。本講座の関係者では,川口広美准教授,金 鍾成助教,池野範男名誉教授,博士課程後期を修了した渡邉 巧先生が,本プロジェクトに参画されています。
3月に実施した予備調査は, 本ホームページ()で報告済みです。本プロジェクトは,5月より本格的な第1次調査の段階に移行しました。5月下旬の調査では,いずれの学校でも,ロシアの架空財閥と裏取引をして辞任に追い込まれた副首相と極右政党の本質,それに伴う内閣不信任案提出の是非,また欧州議会選挙での投票(あなたはどの政党に投票する?)など,アクチュアルな論点を教室空間に取り入れて議論している姿が確認されました。教師と生徒が,政治的な地位を同じくする一市民・一有権者として語り合う姿は印象的でした。
プロジェクトチームは,上の法教育セミナーのような場で,研究成果の社会的な発信と社会科教育の改革に向けた様々な提言を行って参ります。