沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利島で人文地理学実習を行いました

6月21日に学部の授業「人文地理学実習」(担当:由井義通教授、佟亜斎娜先生)で沖縄県国頭郡今帰仁村にある古宇利島を訪れ、島民を対象にしたアンケート調査を行いました。

今回の調査実習の目的は、アンケート調査を通して地理学を研究するうえで必須となる調査手法について学び自らの今後の研究について考えること、また沖縄の生活状況や文化などを学ぶことで、自らが教壇に立った際の知識として活用できるよう知見を深めることでした。古宇利島は2005年に隣の屋我地島との間に古宇利大橋が開通し、“車で行ける離島”となりました。現在では観光産業の発展が顕著にみられる島です。アンケートの主な質問項目は、2005年の架橋によって島民の生活にどのような影響があったのかというものです。

島民の生活の変化としては、架橋前はフェリーを利用して隣の屋我地島に移動して買い物や通院をしていたが、架橋後は自家用車で橋を渡り買い物や通院ができるようになったことや、沖縄本島などの古宇利島の外で就業する人が増えたことが挙げられます。また架橋後には島の観光地化が進み、多くの人が訪れるようになったことで騒音やゴミ問題、治安の悪化といった観光地特有の問題が深刻化してきていることが分かりました。その一方で、架橋により警察官の立ち寄り機会が増えたことで治安が良くなったという回答も得られました。

今回の調査実習では紙面でのアンケート調査に加えて、島民の方から直接話を聞くことができたため、より多様な意見を得られたと考えます。これからの自分の研究テーマや調査手法について考える良いきっかけとなりました。

(学部3年 田中和樹)