
2026年3月上旬、Christion Johann氏(ヨーロピアン・アカデミー・ベルリン理事長)とGernot Wolfram氏(マクロメディア大学教授/連邦政治教育センター特別顧問)の2名がドイツから来日し、学術交流がなされました。またその中で、本プログラムの川口広美准教授と田中崚斗さん(博士課程後期3年)、井戸浩太(博士課程前期1年、筆者)は、日本とドイツにおける政治教育・主権者教育に関する3本のセミナーを企画・開催しました。本記事では、学術交流の概要をご紹介します。
交流初日の3月3日は、日本における政治教育の実際を捉えるため、広島大学附属三原中学校を訪問し、「デジタル社会におけるこれからの政治参加の在り方」に関する授業を観察しました。授業後には、観察でみられた様子や語りを手がかりに、教師が政治的な問題を扱う際にどのような点に留意しているのか、また子どもは「政治参加」をどのように捉えているのかなど、日本の文脈に関わる点について議論を深めることができました。



3月4日には、EVRI定例オンラインセミナー講演会No.197「子ども・若者の「当事者としての政治参加」を支えるには――支援に携わる同世代の語りを手がかりに――」を開催しました。本セミナーでは、井戸(筆者)と川口准教授が司会として登壇し、日本で子ども・若者の政治参加を支援する当事者世代の語りを聞き、日本の文脈特有の課題とそれを乗り越えるための工夫を共有した上で、今後必要となる支援の在り方を議論しました。
3月5日には、EVRI定例オンラインセミナー講演会No.196「日本のシティズンシップ教育の現状と課題―「ドイツの政治教育」研究の視点から―」を開催しました。本セミナーでは、田中崚斗さんと川口准教授が話題提供者として登壇し、日本の研究者という視点から、日本の文脈における特質と課題を示し、ドイツの研究者とシティズンシップ教育を取り巻く文脈の共有を図りました。
3月6日には、EVRI定例オンラインセミナー講演会No.194「今、どのように子どもの政治参加を支えるのか ― ドイツおよびヨーロッパにおける市民性教育の新たなアプローチから学ぶ」を開催しました。本セミナーでは、川口准教授が司会として登壇し、ドイツ連邦政治教育センター(bpb)をはじめとする複数の実践事例をもとに、前日の議論を土台とした、日独両国の文脈を接続した相互的な対話がなされました。
今回の学術交流で得た知見をもとに、政治教育・主権者教育の在り方を引き続き考えてまいりたいと思います。
(執筆:博士課程前期1年 井戸 浩太)
各日に実施されたセミナーの詳細については、以下の開催報告をご覧ください。
・定例オンラインセミナー講演会No.197「子ども・若者の「当事者としての政治参加」を支えるには――支援に携わる同世代の語りを手がかりに――」(URL: https://evri.hiroshima-u.ac.jp/33190)
・EVRI定例オンラインセミナー講演会No.196「日本のシティズンシップ教育の現状と課題―「ドイツの政治教育」研究の視点から―」(URL: https://evri.hiroshima-u.ac.jp/33122)
・EVRI定例オンラインセミナー講演会No.194「今、どのように子どもの政治参加を支えるのか ― ドイツおよびヨーロッパにおける市民性教育の新たなアプローチから学ぶ」(URL:https://evri.hiroshima-u.ac.jp/32997)