大学院生と学部生で読書会を開催しました。

 2025年8月から12月にかけて、本プログラムの大学院生と学部生で読書会を開催しました。対象図書は、ケネス・J・ガーゲン+シェルト・R・ギル 著、東村知子+鮫島輝美 訳(2023)『何のためのテスト?評価で変わる学校と学び』ナカニシヤ出版です。

 本書では社会構成主義の立場から、人と人との関係性を通して学びが形成されるプロセスとして教育を捉え、従来の標準化された評価から「関係に基づく評価」への転換が提案されています。参加者で各章を分担して発表し、それを基に現状の課題から今後の教育のあり方まで、自由闊達な議論が行われました。大学院生3人、学部生3人、また本プログラム以外からも2人の計8人が参加し、各々の専門性や被教育体験から多様な意見が共有されました。

 以下、今回の読書会に参加した3人の感想を紹介します。
(執筆:学部4年 玄 紀雲)

①上中蒼也さん(博士課程前期1年)

 社会構成主義とは何なのか、学びを深めるためにガーゲンの本を輪読しました。評価によって生徒の学びが限定させられているというガーゲンの考えに同意しつつも、ではどう評価すればよいのか、教師や学校教育の中では何ができるのか、といったテーマについて、大学院生だけでなく、学部生とも一緒になって議論することができました。参加者も多様な経験を有しており、多種多様な観点から議論をしてきたので、自分自身にはない視点に気づいたり、評価のあり方を簡単には変えることができないという難しさを知ったりしました。この読書会を主催して良かったと感じると同時に、参加してくれた院生・学部生の皆さんに感謝します。

②井戸浩太さん(博士課程前期1年)

 今回の読書会は、社会構成主義の視点から、学習評価・テストの在り方を見つめ直す機会になりました。学習評価が過度に標準化・画一化される弊害を感じつつも、関係性に基づく評価を学校教育に実装する上でのハードルも実感する中で、学校現場で実践できる学習評価の工夫について議論できました。また毎回、参加した学部生や院生からは、それぞれの研究テーマや被教育体験に基づいて、独自の切り口から論点・争点が提示されることが多く、一冊の本を一緒に読み深めていくことのよさを改めて感じました。

③圓奈勝己さん(学部4年)

 「評価」についてはいつも悩まされています。教育学部での4年間で、様々な授業形態や教材の種類など学びがあるなかで、ずっと付きまとう課題や疑問点が「それ、どうやって評価するん?」でした。

 「〇〇という力を生徒に身につかせたい!」としてそれに適した授業が創れても、「客観的観点がないようだが、どうなったらこの子に○○が身についているといえるのか?」と言われてしまうこと。教育実習含めよくある話です。この本はそんな評価について、「テストの点数だけで評価するのって見直した方がよくね?」という疑問から出発しました。

 本を読んで各章担当者が発表し、皆で議論する。雰囲気はかなり和気あいあいとしていましたが、評価って改めて難しいと痛感させられました。ガーゲンの言う「関係による評価」が現実的に行えるものなのか?院生学部生ともに悩みに悩んでいました(笑)

 「評価」について議論する場がなかなかなかったなかで、この読書会ではいろいろな知見を得ることができました。ガーゲンの提案する評価、それの現実性の可否、読書会参加者が実際に評価をするために行っている工夫。どれもタメになることが多かったので、「評価」については現場に出ても考えていきたいと思えました。