みなさん、こんにちは。 博士課程後期1年の中村賢治です。
この度、2025年9月27日に行われた日本NIE学会において、私の研究論文が「2025年度 研究奨励賞」に選出され、授賞式に出席してきました。 今回は、受賞した研究の内容と、そこに至るまでの「協働」のストーリーについてご報告します。

■ 言葉の壁を超えて、子どもたちが「新聞記者」に
今回受賞したのは、私が修士課程時代から取り組んできた、外国にルーツをもつ子どもたちとの「新聞」を使った下記の実践研究です。
受賞論文:
中村賢治(2025)「外国にルーツをもつ児童によるNIEインタビュー活動の可能性ー中日新聞連携「新聞寺子屋プログラム」における実践的研究を事例にー」日本NIE学会『日本NIE学会誌』第20号, pp. 39-48.
この研究の舞台は、地域で行われている「新聞寺子屋プログラム」という学びのコミュニティです。 ここで私は、外国にルーツをもつ子どもたちが「新聞記者」になりきってインタビュー活動を行う実践に取り組みました。
インタビューの相手は、同じ境遇を持つ人生の先輩、オフィス・シネマレスト所属のヴィトルさん。「日本で暮らしていて大変だったことは?」「夢を叶えるにはどうしたらいいの?」 子どもたちは新聞づくりを通じて、言葉や立場の壁を超えて対話し、自分の思いを社会へ発信していきます。このプロセスこそが、これからの多文化共生社会を生き抜く「市民としての力」を育むのではないか――その可能性を実証した点が、今回の評価につながりました。
■ 一人の研究ではなく、チームでの「協働」
賞状には私の名前が記されていますが、これは私一人で取れた賞ではありません。 この研究の裏側には、立場を超えた多くの「協働者」の存在があります。
中日新聞NIE事務局の皆様、現場の小学校の先生方、そして将来教員を目指す大学生・大学院生の仲間たち。何より、一緒にワクワクしながら活動してくれた子どもたちと、彼らのロールモデルとなってくれたヴィトルさん。
みんなで新聞を囲み、「新聞っておもしろいね」「こうやるともっと世界が見えるね」とワイワイ学び合う。そんな、研究者も実務家も子どもたちもフラットにつながる「協働」の熱気そのものが、今回の受賞につながったのだと感じています。
■ これからの抱負
授賞式では、「この実践が子どもたちの未来の道筋になるように」という願いを込めてスピーチをさせていただきました。 身に余る光栄を励みに、今後は自身の専門である「歴史教育」の分野でも、社会と連携した新しい授業づくりに挑戦していきます。

私たちの領域(社会認識教育学領域)では、このように、大学の中だけでなく地域や学校現場に飛び出して、子どもたちや社会の方々と「協働」しながら進めるエキサイティングな研究フィールドが広がっています。興味を持ってくれた高校生・大学生の皆さん、ぜひ私たちと一緒に新しい教育の形を探究してみませんか!お待ちしております。
■ 関連リンク(受賞論文はコチラから)
https://researchmap.jp/kenji_nakamura/published_papers/49854315
(執筆:博士課程後期1年 中村賢治)