2025年6月11日、広域交流型オンライン学習が実施され、本コースの草原和博教授が授業担当者として、熊原康博教授が自然地理学の専門家として、本コースの大学院生7名と学部4年生3名が支援員として参加しました。
広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)は,2023年10月から,内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として、「デジタル・シティズンシップ・シティ:公共的対話のための学校」に取り組んでいます。草原教授が研究開発責任者を務めています。
授業当日は、東広島市内中学校4校4学級(志和中、福富中、豊栄中、河内中)の2年生(100名)とスペシャルサポートルームの児童生徒が参加して,「地域調査の手法を学ぶ」をテーマに、同時双方向の遠隔授業を実施しました。この授業の中では、「正しさや詳しさだけが「良い授業」の条件か?」の議題のもと、それぞれの目的・場面に応じた地図の「良さ」を説明し、また目的・場面に応じた地図を描けるようになることを目指しました。授業の冒頭で「Googleマップは神!」と言っていた生徒たちでしたが、授業の中でGoogleマップ以外の地図の良さにも気づきはじめました。授業の後半には、目的・場面に応じた地図(バス案内マップ、観光マップ、ハザードマップ)を描けるようになっていました。
熊原教授は、鳥取砂丘の背景画像とともに遠隔で参加し、「地図では、縮尺の程度に応じて省略のされ方が変わる」ことを、地理院地図を用いて説明されました。また、授業の後半には、子どもたちが描いた地図に対して専門家の視点からコメントをされており、生徒たちも専門家からの意見を聞けて嬉しそうでした!
支援した学部生の感想
今回は授業支援を担当し、実際に中学校に赴いてICT機器の操作や、生徒の学習支援などを行いました。授業の最初では「正しい地図」「詳しい地図」を良い地図と考えていた生徒たちですが、目的・主体・場面に応じて地図を使い分けることが重要だと気づき、授業の後半になるとそれらに応じた地図を描けるようになっていました。このような、生徒たちの思考の変化や成長を間近で感じることができて、大学生である私自身も刺激をもらいました。
また、今回の実践の中で、先生が授業や生徒指導を行っている場面を観察できることは、中学校教員を志望する私にとって貴重な経験となりました。特に、社会科の授業の進め方や、生徒の意見に対するフィードバックの仕方、生徒との関わり方などが非常に勉強になり、「私もこのような指導ができるようになりたい」と感じました。
今回の実践は、子どもたちの成長を身近に感じることができ、教職の魅力を再認識できた実践でした。今後も様々な実践に参加し、自身の学びにつなげていきたいと考えています。
(学部4年 中西美里)
今回は授業支援を行いました。普段の授業支援は機材設置や機材操作がメインとなりますが、今回はSSRと呼ばれる「学習支援等による不登校の未然防止及び不登校等児童生徒の社会的自立に向けた支援の強化、充実」(広島県教育委員会HPより)を図る学級において、生徒との直接的な対話を通じた学習支援が中心となりました。
「不登校」というワードを見ると、意見を出すことに対し消極的で、「問いに対し自身の意見を持ち表明する」という授業スタイルは合わないのではないかと思われるかもしれません。私自身SSRの支援に行く前はそのように考えていました。意見を引き出すことが自分にはできるのか、そのような不安に駆られながら学校に向かったことを覚えています。しかし、実際にはその考えは杞憂でした。生徒は問いに対し、しっかりと意見を持ち、そしてそれを私やSSRの先生方にも積極的に共有してくれました。
もちろん意見を引き出すことが毎度容易に行えるわけではありません。生徒から意見を引き出せず、先に授業が進んでしまうことも少なくありません。ただ、決して彼らの学習意欲が低いというわけではありません。オンラインという普段とは違う特殊な形態に興味を持ち、また授業内容にも関心を持ちながら参加している様子は印象的でした。
SSRの支援では生徒はもちろん、支援員も多くの刺激を得られます。学習支援はどのようにあるべきか、配慮とは具体的にはどのような範囲のどのような配慮が適切なのかなど、教師を志す私にとって、個に応じた学習支援の重要性とその難しさについて考える良い機会となりました。今後もSSRのみならず多くの支援を通じて、地域との連携や教師の役割を考える糧としていきます。
(学部4年 圓奈勝己)



