「公民科教育論」で民主主義に関するボードゲームの体験活動を行いました

本コースの川口広美准教授が担当する学部生向けの授業「公民科教育論」では、主に高等学校の公民科の授業づくりを軸にしながら、今後のシティズンシップ教育のあり方を理論的・実践的に考察することを目的としています。

その中で、11月20日12:50-14:20に、東広島市SDGs推進アドバイザー派遣制度を活用し,講義の中で,アドバイザーの清水祥平さんをお招きし,民主主義の意味や重要性を考慮するカードゲームである“Demopolly”を用いたワークショップ(Demopollyの説明はこちら)を実施しました。講義においては,まず“Demopolly”を学生たちが体験しました。ゲームは3~4名のグループで実施し,架空の都市のアニマルタウンを舞台に,多様なキャラクターの人たちになり切ってプレイしながら,公共政策のあり方や選挙の意味を考えていくというものです。清水さんは本学部数理系コース出身で現在はINOSHISHIYAHという教育関連の法人を起業し,多様な活動を展開されています(INOSHISHIYAHのHPはこちら

ゲームの後には,清水さんから,このゲームの意図の説明と共に,今後の社会を考えていくうえでの主権者教育には知識理解だけではないフェーズに向かう必要があること,学校だけでなく,多様な人たちと連携しながら市民を育成していくことが大切だといった話をしていただきました。

 清水さんからのワークショップの後には、川口准教授より,➀市民性育成を行うのは公民科だけではなく,多様な機関や人々がおり,それらの関係の中で社会科や公民科は変化し続けてきたししたことや,②今後の公民科授業を考えるうえでは,既存の教育や社会の枠組みの中だけで考えるのではなく,多様な活動の可能性や意味を考えた上で,再度目標を見直していくこと,そして③目標→内容→方法といった単線的な思考ではなく,目標⇔内容⇔方法といった柔軟さが必要であること,などの説明を受けました。多くの学生たちにとって,経験しながら,それぞれの活動の重要性や意味を考えることのできる良い機会になったようです。
 社会系コースでは,このように学校と地域社会との連携などを通して,より柔軟な思考の下で新しい社会科の教育デザインを考えられるような教員を育成していきたいと考えています。