2023年11月29日(水)~12月2日(土)にかけて開催されたNCSS(National Council for Social Studies:全米社会科協議会)第103回年次大会で、本コースの金 鍾成 准教授・川口広美 准教授・大岡慎治(博士課程前期1年)が発表を行いました。
私(大岡)と金先生はNCSSのInternational Assemblyが主催するラウンドテーブルにて“Exploring the Relationship Between Peace Education Experiences and Pre-Service Teachers’ Perceptions of Ideal Peace Education”(「平和教育の経験と教員志望学生が抱く理想の平和教育への認識の関係性に関する探究」)を発表しました。広島で平和教育を受けてきた教員志望学生に①現状の広島の平和教育をどのように評価するのか、②その評価は自らの理想の平和教育像にどのように影響を与えているのかについて尋ねたインタビュー調査をもとに報告を行いました。報告をもとにアメリカの社会科教育研究者や実践者の方々と、教師教育についての議論を深めることができました。
金先生と川口先生はNCSSのInternational Assemblyが主催するペーパーセッション発表にて“Exploration of How History Teacher Education Programs in Japan, Korea, and Taiwan Prepare History Teachers to Teach Difficult Histories”(「日本、韓国、台湾の歴史教師教育プログラムはどのように教員志望学生が困難な歴史を教えられるように準備させているか」)を発表しました。東アジアの歴史教育において困難な歴史を教える重要性が強調されているものの、その教育を担う教師をどのように育成すれば良いかに関する議論が不足していることを問題として提起し、日本、韓国、台湾の歴史教師教育者がどのように困難な歴史に関する教師教育を行っているかに関する報告を行いました。これまでブラックボックスになっている東アジアの歴史教師教育、特に困難な歴史に関する歴史教師教育を明らかにしようとする試みとして、多くの方々から期待の声をいただきました。
本コースでは今後も積極的に海外での学会発表などを通して、世界中の社会科教育関係者と共によりよい社会科を探究してまいります。
(執筆:大岡慎治・金 鍾成)