11月16日(木)に,広島県立賀茂高等学校2年生を対象とした,東広島市議と対話する,「政治的教養の教育」が実施されました。
2023年4月の市議選で当選した30代以下の若手議員として,鍋島勢理市議,上岡裕明市議,木村輝江市議,鈴木英士市議(議員名簿順)が出席され,それぞれの市議と生徒とのディスカッションの橋渡し役であるコーディネーターとして,川口広美准教授が登壇しました。
(中国新聞の記事はこちら)https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/386347
本イベントのきっかけは,若者の政治離れが叫ばれて久しい昨今,18歳をもうすぐ迎える高校2年生に対して,投票する意味とは何か,なぜ投票する必要があるのかを考える時間を設定したいという高等学校からの要望で始まりました。8月から打ち合わせがスタートし,本コースからは川口准教授のほか,本コース修了生の私(小野創太)もアシスタントとして参加しました。打ち合わせでは,イベントの基本的なイメージは高等学校から提供されたものの,高等学校・市議・大学側からの意図や希望を交えながら,何をめざすのか,どのような場にするか,何を話すかなどを決定していきました。その過程で,イベントでは,投票行動のみに着目するだけではなく,政治家に対するイメージの問題や政治参加を広く捉える必要性が見えてきました。また,当日のイベントのみならず,事前に大学も市議も授業見学を行い,授業や生徒の様子などを見ながら,実施当日のヴィジョンを丁寧に共有していきました。
当日のイベントにおいては,川口准教授は,「東広島市の若者に,政治に参加してもらうには?」とのテーマを設定し,議員と生徒が共通して考えるべき問いを投げかけました。
鈴木市議から,現在東広島市が行っている若者の政治参加を促す施策(例えば,中学校を対象とした生徒会選挙での用具貸し出しなど)が紹介された後,川口准教授が「東広島市の試みは有効なものか?」「皆さんなら,どのような試みがよいと思うか?」についての意見を議員に伝えるよう,生徒に問いかけました。
生徒は,東広島市議会が縁遠いものに感じているのに加え,議会で何について議論されているのか,またどのような政策が実現しているのかを可視化する必要性について述べていました。生徒からは,望まれる東広島市の試みとして,例えば,「何を政策としているかだけでなく,SNSなどで政策の成果を発信するべき」「オンライン投票や特典付き投票を検討するべき」といった意見が提案されました。
多くの生徒が,今回の市議会議員の方々との対話により,東広島市議会が「身近なものになった」と話していました。
今回,私自身,サポートスタッフとしてこのイベントに関わったことで,現在進行形で政治や教育に関わる学校外部の人材が,いかに学校とタッグを組み,生徒の主権者意識を高めていくことができるかについて学ぶことができました。
また,今後も本コースでは、本実践のような取り組みへの協力をしてまいります。
(博士課程後期修了生 小野創太)