対話的教育論に関する学術書に本コースの教員と大学院生が執筆しました。

 本コースの川口広美准教授,本コースOBの福井 駿先生(鹿児島大学),博士課程後期1年の私(田中 崚斗)が,『対話的教育論の探究:子どもの哲学が描く民主的な社会(東京大学出版会)』(2023年9月27日刊行)に執筆しました。担当した章の情報及び本書の書誌情報は以下の通りです。

 川口広美,田中崚斗,福井 駿(2023)「「良い社会科」を追求する教師をいかに育てるのか:社会科教員養成のペタゴジーとしてのP4Cの可能性と課題」小玉重夫,田中 伸,豊田光世編著『対話的教育論の探究:子どもの哲学が描く民主的な社会』東京大学出版会,pp.219-242.

対話的教育論の探究 – 東京大学出版会 (utp.or.jp)

 担当した章の内容は,社会科教員養成において“子どものための哲学 Philosophy For Children (P4C)”を用いる可能性を探るものであります。P4Cとは哲学的な問い(例えば,「正義とは何か」「賢いとはどういうことか」)について対話し,多様な価値観や考えを知るだけでなく,自身の価値観や考え,さらにはその価値観や考えをもつ根拠などを自覚させる学習方法です。私たちは,このP4Cの手法を昨年度の学部生の講義の中で実践し,その意義や課題を検討するとともに,日本の社会科教員養成への示唆を考察しました。ぜひ,本書を手に取り,内容について忌憚のないご意見を頂けますと幸いです。

 本研究に協力して頂きました,該当講義の受講生,本講座OBの田中 伸先生(岐阜大学),高見史織さんに感謝申し上げます。今後も本書の執筆の経験を活かし研鑽を積んでいきたいと思います。

(執筆 D1 田中崚斗)

本書をもつ川口准教授と私