本コースの教員・大学院生が韓国・ソウルで授業研究に参加しました。

本コースの草原和博先生,川口広美先生,金鍾成先生,露口幸将さん(M1),私(田中崚斗(D1))は,他大学の大学教員や,本学の他コースの大学教員や大学院生などと共に2023年5月11日(木)と12日(金)に韓国ソウルに赴き,小学校音楽科の授業と高等学校社会科の授業研究に参加しました。この授業観察は,「授業研究を軸とした教職の高度化に関する国際共同研究プラットフォームの構築(研究代表:吉田成章)(JSPS 科研費22H00080)」の一環として行なったものです。

 2023年5月11日(木)は,ソウル大学附属小学校5年生の音楽科の授業研究に参加しました。観察した授業では,西洋の管楽器(バイオリン・ビオラ・チェロ)と韓国の伝統的な楽器(ガヤグム・ゴムンゴ・アジャン)の音色を比較しながら,異なる楽器で演奏された楽曲の感じ方を表現する活動が行なわれていました。

 2023年5月12日(金)は,ジャヤン高等学校1年生の社会科(韓国史)の授業研究に参加しました。観察した授業では,1880年代の朝鮮政府における開化政策や,壬午軍乱に関する背景・展開・結果を認識させる授業でした。

この2つの授業研究では,専門分野や国籍の異なる方々と「この授業を観察して,取り入れたいと思ったことは何か」「この授業をより良くするために,どのようにすればいいか」などの意見交流を行いました。

2日間の授業観察・研究を通して,(1)韓国と日本の授業・学校風土の違い,(2)異なる専門分野・国籍の方々による授業の見方を勉強しました。まず(1)では,授業中の飲食といった子どもの自主性・主体性を尊重した韓国の授業・学校風土やその良さを肌で感じ,日本との違いや日本の授業・学校風土の良さも改めて認識しました。次に(2)では,授業研究での意見交換を通して,授業だけでなく子どもや教師・教具,授業観察者の動きにも焦点をあてることの良さや方法を学ぶことができました。

 以下,今回の授業研究に参加した露口さんの感想です。

 ソウルでは2012年から学生人権条例が公布されており,その影響から韓国ソウルの高校では頭髪や服装が自由であり,日本の学校風土との違いを感じました。また,小学校と高校ともに授業におけるICT活用が目立っており,ICTを活用して個別の学習時間を確保したり,子どもの学習への動機づけを行ったりと目的に応じた活用の工夫がなされていた点が特徴的でした。初めての韓国ということで不安もありましたが,日本側の先生方や先輩方の引率に加え,韓国側の先生方や児童・生徒の丁寧な対応により,楽しく有意義な時間を過ごすことができました。関わってくださった皆さん,ありがとうございました。

 2日間という短い時間でしたが,社会科教育としても授業研究としても学びが多く,刺激のある機会となりました。この授業研究で得たことを,自身の研究や授業実践に反映し,日本の社会科教育研究や実践現場にアウトリーチしていきたいと思いました。また今後も,国際的な研究・実践への参加・協力を通して,見識を深めていきたいと考えています。

 最後になりましたが,この韓国での授業研究の調査を企画・調整頂いた金鍾成先生に感謝申し上げます。ありがとうございました。

(田中崚斗(D1)・露口幸将(M1))