学部生の授業で、大学院生が前期の授業の成果を発表しました。

8月8日(月)に学部生の授業である「平和情報発信演習(戦争と平和の教育学)Ⅰ」(金鍾成准教授・草原和博教授担当)において、大学院の授業である「比較カリキュラムデザイン基礎研究」(川口広美准教授担当)の前期の成果発表を行いました。

当日は、「『歴史認識問題』と『歴史和解』とは何か?」を発表題目とし、学部生と一緒に「歴史和解に向けて、私たちはどのような態度をとるべきか?」について考えました。

発表の準備にあたっては、単に前期におこなったことをまとめるだけではなく、今回の発表が組み込まれる授業全体のバランスを見ながら、学部生にとって有意義な内容となるように工夫しました。内容構成としては、①「歴史認識問題とは何か?」②「歴史和解とは何か?なぜ難しいのか?」③「世界において歴史和解はどのように進められているのか?」の3つのパートに分けて行いました。

発表の冒頭では、学部生に対し「『歴史和解』という言葉からイメージする単語を3つあげてみよう」というアクティビティを行ったところ、「謝罪・賠償・妥協・交流・相互理解」などの考えが挙がりました。

院生の発表が終わった後に、感想を聞いてみたところ、歴史和解の難しさを言及したり、歴史和解は「結果」だけではなく、「プロセス」として捉えることの重要性を指摘したりなど、様々な意見が挙がりました。また、「歴史和解に向けて、私たちはどのような態度をとるべきか?」について聞いてみたところ、過去に向き合い続けることが大切なのではないか?という声もありました。

最後に発表に対しての質疑応答の時間を取りました。聴講者(社会認識教育学領域の院生・OB)からは、「『歴史和解』に終わりがないという立場に立つならば、社会科教育において子どもたちが『歴史和解』のために、過去に向き合い続ける態度を持ち続けることは困難なのではないか?」というご意見を頂きました。これらの意見を踏まえながら、後期の授業においては、社会科教育において「歴史認識問題」や「歴史和解」を取り入れる意義を探究していきたいと思います。

発表者:板野誠(M2・教育学プログラム)、岡井美咲希(M1・教師教育デザイン学プログラム)、首藤慧真(M1・教師教育デザイン学プログラム)、正出七瀬(M1・教師教育デザイン学プログラム)、村上遥大(M1・教師教育デザイン学プログラム)、村上正龍(M1・教師教育デザイン学プログラム)

(文責:M1村上遥大)