卒業生と教員による天井川に関する共著論文が刊行されました

 当コース卒業生の黒川湧暉さん(現滋賀県立虎姫高校教員)と熊原康博准教授の共著論文「明治初期の村絵図に基づく滋賀県南東部草津川の河床高・堤防高の復元と約100年間の変化」が地理科学76巻4号に掲載されました。本論文の内容は,滋賀県南東部の草津川について,1874年に作成された「栗太郡各村絵図」の草津川に関する数値情報をもとに明治初期の天井川全体の河床高や堤防高を復元し,1970年代後半の測量の数値とそれを比較することで,明治初期以降の約100年間の天井川の変化を検討したものです。本研究は,黒川さんの卒業論文を骨子として,その後の追加調査をしてまとめました。以下は黒川さんからのコメントです。

 大学卒業後約3年かけてですが、学術論文への掲載に至ることができ非常に嬉しく思います。私の興味から始まった研究でしたが、熊原先生の支援や有益な資料との出会いによって論文を執筆することができました。研究は一筋縄ではいかない難しいものでしたが、資料をもとに未知のことを一つ一つ明らかにしていく過程は非常に楽しいものでした。また、論文を執筆する中で、地理学の研究の考え方や、GISソフトの使い方などを身につけることができ、それらは日頃の高校の授業のなかで大いに活かすことができています。学生の皆さんも、自分の興味のある分野を、ぜひ思う存分研究してみてください。その経験が、教員の仕事に活かされることでしょう。

論文の要旨はこちらから読むことができます。