セミナー「学校で「哲学する」ってナンダ?」を開催しました

2019年8月28日、教育学研究科A414において、特別セミナー「学校で「哲学する」ってナンダ?」(主催:川口広美、奥村尚)を開催しました。講師は本講座を修了された福井駿先生(現:鹿児島大学講師)です。

本セミナーは、奥村尚さん(M1)が企画・広報を中心として行いました。大学院生7名のほか、学部生3名(明石啓汰さん・今井祐介さん・村田一朗さん)が参加し、途中、本講座の修了生も加わっての充実した議論が展開されました。

セミナーでは、「哲学教育ってどういうものか?」(=思考の習慣づけ)に始まり、「てつがくを教科化したほうがいい」という主張について色々な角度の根拠を踏まえての話がありました。その中で、現在の社会をどのように捉えるか、その中で市民はどうあるべきか。子どものおかれている状況がどう変わったか。公と私の二元論は妥当なのか。学問と非学問の関係は。教科の役割とは。など、かなり根本的なところからの問い直しが数多くありました。福井先生の立場に対し、反対も賛成の意見も示されましたが、こういう根本について考えることそのものの重要性を認識することができました。

セミナーに関わった学生・院生の学びの1部は次の通りです。

  • ・今回の福井先生のセミナーでは、P4Cがすべての人たちが市民として社会に参画し、社会を動かすために必要となる可能性があるということを学びました。福井先生のてつがく科についての熱い思いと、てつがく科の構想についての議論を通して、自分の社会科教育観や学校教育において教科とは何か、今後の学校のあり方ついて改めて考えることができました(学部生一同:村田・今井・明石さん)
  • ・本セミナーでは、鹿児島大学でP4C(Philosophy for Children)を研究されている福井先生に、P4Cの概要やその研究の動機などをお話いただいたあとに、学校とP4Cとの関係性がどのようなものとして考えられるか、というトピックで、福井先生と参加者で話し合いました。P4Cは日本での先行研究が決して多くはないテーマであり、まだまだ研究の途上にあります。そのような新しいテーマについてセミナーを開催できたこと、そして話し合えたことに対して、感謝と喜びを覚えるとともに、ますます研究が進められていくことに期待が高まりました。今後も積極的にセミナーや勉強会を行い、教育学研究での研究テーマを開拓し、研究を深めてく場を作りたいと考えています(M2:奥村さん)