大学院生の論文が日本教科教育学会誌に掲載されました

2021 年 9 月に私(村田一朗 M2)と小栗優貴さん(D3)、白石 愛さん(広島大学大学院健康スポーツ系コース博士課程前期修了生)とで投稿した「性的マイノリティの包摂を目指した教科横断単元の開発研究―社会科・保健体育科との協働開発―」が日本教科教育学会誌(2021 年第 44 巻第 2 号)に掲載されました。  

 本論文は、2019年度に提出した私の卒業論文「性規範の相対化をめざした社会科単元開発研究―性の多様性を主題とした教科横断的な実践を通して―」を発展する形で行いました。性的マイノリティの包摂という社会・学校における課題に対して社会科と保健体育科が教科の垣根を横断しつつ、それぞれの教科の良さを生かした単元「性規範を問い直す」を開発、実践した論文です。  

 本論文はコロナウィルスの感染が拡大していた 2020 年 3 月から 5 月に集中的に取り組みました。卒業論文で,その骨子は執筆していたものの、学術論文として掲載させるためには,限られた紙幅で読者に納得してもらう論理構成や、査読意見への適切な対応といった高いハードルがありました。こうしたハードルを乗り越えられたのも、お互いの顔を見飽きるほどのオンライン会議に付き合い、共に論文を執筆してくれた小栗さん、白石さんの存在は大きかったです。また、指導教員の川口先生をはじめ、ゼミの皆さんに多くの指摘をいただいたことも助けになりました。 

 卒業論文は,卒業のために書くという気持ちで行うことが多いと思います。しかし、今回の取り組みで,卒業論文であっても査読付きの学術雑誌に掲載できることを知りました。今回の論文が、教科教育という学問・学術の発展に少しでも貢献でき、性的マイノリティの包摂を実現する社会・学校の実現に向けた一歩となればと願っています。(M2 村田一朗)