大学院生(博士課程前期:歴史学)の一日 (鎌田祥子さん) 2015年現在

出身

鎌田さんは、毎日どのような生活をしているのですか?

大学院の授業を受けたり、大学院の授業の演習の準備、ほかアルバイトをしています。内部進学しましたので、生活ぶりはあまり変わっておりませんが、学部時代と違って学問にうちこむ比重が高くなりました。また、私は卒業論文において、平安末期の地頭について書きましたが、修士論文においては、平安末期のみならず、鎌倉期の地頭についても書きたいと思っています。卒業論文において研究した時代をもっと広げていくといったようなものととらえて頂けたら、と思います。

大学院では、どのような授業をとられているのですか?

大学院1セメスターの授業を中心に、3点ピックアップしてお話ししたいと思います。まず、私が一番重きをおいていた授業は、平安中期に藤原実資が書いた日記『小右記』を解読するという演習の授業です。皆さんご存知の藤原道長が日記の中に出てきます。『小右記』の演習は、とても興味深く、新たな発見があります。一字一字丁寧に読むことで史料の読み方が少しずつ分かったと思います。2つ目に、地理の授業でフィールドワークの授業があります。広島県内の特徴的な地形や水路を見に行ったりしました。このフィールドワークを通して地理の授業をどのように面白く伝えられるか、ということをつかむことができたように感じます。3つ目に、イギリスの地理の教科書を和訳して、分析するという授業があります。今、高校生の皆さんは英語の勉強をしていると思いますが、皆さんが勉強している英語がここで活きていくこととなります。また、教科書に書かれてある発問が何をねらいとするのか、またこの単元ではふさわしい発問であるかなどの検討をしていくことになります。

どうして、大学院に進学されたのですか?

私が大学院に進学した一番の理由は、自分が社会科教員になるにあたって、もっと勉強が必要だと考えたからです。教育実習や様々な学部の授業を通して、自分には教員として生徒に教えていくための知識や授業を組み立てていくスキルなどが不足しているということが分かりました。そして、このまま教員になってもよいのかどうか迷い、もう少し勉強をしていくためのチャンスが欲しいと考えました。また、私は日本史が好きで、日本史のことについてもっと知りたいことがあったため、というのもあります。

大学院修了後、どのような教師になりたいですか?

2点挙げたいと思います。
1つ目は、学習内容を興味深く掘り下げた授業ができる教師になりたいと思っています。学習内容をただなぞるだけでは、社会科はただの暗記教科だという意識を生徒に植え付けることとなってしまうからです。常に「なぜ?」と問いかけることにより、生徒に社会科の面白さに気づいてもらえたら、と思っています。
2つ目は、社会に貢献できる人材を育てることができる教師になりたいと思っています。「なぜ勉強するのか?」という答えは様々あると思いますが、私は社会に貢献するためであると考えております。これは、はるか昔に私が高校受験をするにあたって、ある先生が教えて下さったことです。その受け売りなのですが(笑)、私はこれに感銘を受けました。「なぜ勉強するのか?それは社会に貢献するためだ」というメッセージを生徒に送っていきたいと思います。

高校生へメッセージをお願いします。

社会科が好きで将来社会科の教師になりたいという人は是非来てもらいたいと思います。社会系コースには、歴史学や地理学、倫理学など様々な専門の授業があり、それぞれに学問的な面白さがあります。それを学ぶことにより、もっと社会科が好きになること間違いないでしょう!
 また社会系コースには、素晴らしい先生方がいらっしゃるので、学ぶことも多くあります。先生方だけではなく、そこに集う学生もとてもレベルが高く、自分にとってはお手本となる人と多く出会うこととなるでしょう。是非、様々な人からいろいろなことを吸収していって欲しいと思います。

大学院への進学を希望している大学生へのメッセージをお願いします。

自分の研究分野をもっと深めていきたいと思った人、また勉強をもっとしたいと思った人は是非来てもらいたいと思います。学部時代の授業と違って、「学ぶ」ということの大変さ、面白さに気付くことができると思います。