2つあって、まず一つ目は社会系(地理歴史)プランニング論。この授業の中で力を入れているのがアクティブラーニング。アクティブラーニングとは歴史の授業で実際に歴史ドラマを作ってみる、など授業内で学生をアクティブに動かすことです。学生は説明調の授業をやることが多いので、実際に模擬授業をやらせてみたりする授業を行っています。質の高い内容を、アクティブな方法で教えるように指導法を発展させることができないかと取り組んでいるのです。
もうひとつの一押しの授業は社会系(公民)カリキュラムデザイン論。これは年間指導計画を自分たちで構築していくような授業をやりたいと考えています。学習指導要領のユーザーとなるのではなくカリキュラムのメーカーになっていくように学生が自分の考えでカリキュラムを作り出すことを中心にやるようにしています。
指導要領の枠組みを取り払って、全く新たな歴史を考えていくとか、新たな歴史を作り出していくという発想で歴史の授業をみてみるとどうなるでしょうか。例としては、歴史の授業で、自分たちで新しい国をつくるためにはどんなモデルがあるかという視点で歴史上の国を見ていき、今までの歴史上の国家をとりあげ成功した例や失敗した例をみて、自分たちが新しく国を作っていくには何が必要か、どんな憲法を作るかをシュミレーションさせるという授業を考案したグループがありました。これは現代のわれわれが国や社会を作っていくという視点を持たせることが狙いの社会科の授業です。また歴史上の人物を、裁判によって裁いていくというような授業を考案したグループもありました。とにかく新しいものを作り出してみよう、というのがこの授業のコンセプトです。
まずは指導要領の枠組みのなかで年間指導計画を作る、次に生徒に対して自分が大事にしたい目標のもと年間指導計画を改善して作る、さらに自分の考える公民科教育論の理論に基づいて年間指導計画を作る、そういったステップアップを狙いとした授業です。最後には自分の授業に対する理論の構築とそれに基づくオリジナルの年間指導計画の策定ができるというストーリになっています。
広島大学は社会系の教師を育てる日本一の場所です。日本一の教育力を持ち、日本一の質の高い附属学校を持ち、これまで築いてきた日本一のノウハウを持っている。だから日本一の先生になりたければ社会系コースに来てください、と言いたいです。もう一つ、社会系コースは教師を育てる教師になれる場所でもある、ということも言いたい。これは大学院のことですが、博士課程前期(修士課程)だけでなく、博士課程後期まであるということは社会科の教師を育てる大学の先生を育てるということである。だから社会系コースに来たら日本一の教員にもなれるし、日本一の教員を育てる教員にもなることができるということです。さらに、社会系コースに入学したら日本の子どもだけでなく、世界の子どもたちにとっての希望の物語をつくっていくこともできます。開発途上国の子どもたちに対しての教育はもちろんですが、最先端の先進的な教育も研究でき、世界の教育を担うこともできるのです。是非頑張って、社会系コースにきてください。