カンボジアの社会科カリキュラム・教科書開発支援に協力してきました(10)

ひろしま平和貢献ネットワーク協議会(提案自治体:広島県)が受託したJICA草の根技術協力事業「カンボジアにおける持続可能な社会構築のための社会科カリキュラム・教科書開発支援」に、本講座教員や卒業生が多数参加しています。7月4日~16日に、カンボジア王国教育省カリキュラム開発局と王立プノンペン大学などから研修生が来日し、EVRI(教育ヴィジョン研究センター)を拠点に本邦研修を行いました。本年度は、カンボジアの教育専門家が社会科のカリキュラム・教科書を自主的自立的に開発できるようになるために、研修成果を次世代に継承するマニュアルを作成しています。

前半の東京研修では、国家カリキュラムの開発プロセスや、教科書検定制度の機能、教科書会社の役割について学びました。本講座卒業生の宮本英征先生(玉川大学准教授・池野ゼミ出身)が協力し、「研究開発指定を受けた学校では、どのように先進的なカリキュラムを開発し、それを指導要領に反映させていくのか」について説明されました。

後半の広島研修では、カリキュラムの開発・普及に関わる地方行政(教育委員会)や研究開発指定校の役割を、EVRIを拠点に学びました。7月9日には、広島大学附属小学校を訪問し、研究的な取り組みを行う学校現場を視察しました。午後には、広島県立教育センターを訪問し、本講座卒業生の迫有香先生(広島県立教育センター指導主事・小原ゼミ出身)から新カリキュラムを普及する主体としての教育センターや指導主事の役割についての講義を受けました。また、本講座からは草原和博先生、川口広美先生、卒業生の大坂遊先生(教育ヴィジョン研究センター教育研究推進員・草原ゼミ出身)、守谷富士彦(教育ヴィジョン研究センター教育研究推進員・草原ゼミ)が専門家として協力しました。研修のまとめとして、マニュアルの今後の編集方針や完成に向けたアクションプラン、そしてカリキュラムや教科書の普及に向けた仕組みを提案しました。今後は、本邦研修の方針をもとに開発を進め、12月にマニュアル完成・出版を目指します。

今後も、本講座では、卒業生・修了生と共同して、地域・社会への貢献を果たしてまいります。

(博士課程後期2年 守谷富士彦)

※活動の詳細については、教育ヴィジョン研究センター(EVRI)のHPをご覧ください。

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